育成論、パーティ構築、基本的なポケモン用語について

今回はXYから新規参入され、レートが伸び悩んでいると感じている方の手助けに少しでもなればいいかと思い記事を書かせて頂きました。
本当に当たり前の事しか書いていませんので、中級者〜上級者の方は読む価値のないものとなっていますのでご了承ください。

また私自身中級者の域を抜けていないと感じている為、果たして本当に有用なものになっているか分からないので鵜呑みにはせず、一意見だと捉えて頂けると幸いです。


●物理受け・特殊受け

物理受けという言葉を良く耳にしますが、厳密に言うと物理受けという役割を持つポケモンは全ポケモン考慮しても存在しません。
ただ単にHBに厚く振ったポケモンを物理受けという訳ではありません。

そもそも受けというのは後出しからそのポケモンの持ち得る技全てを確定3発以上に抑え、且つ自己再生や卵産みなどの再生回復技やポイズンヒールなどの特性による回復を持っていて始めて成立します。

確かにエアームドなど物理全般に強い数値と耐性を持つポケモンは存在しますが、果たしてエアームドが物理攻撃であるヒヒダルマフレアドライブを受け切れるのかというとそうではありませんよね。
弱点なんだから当たり前だろと思う方もいるかも知れませんが物理全般を受けるというのは詰まる所そういう事になります。

同じように特殊受けとされるラッキーは弱点突かれようが眼鏡気合玉などを後投げから受け切る事が出来、そもそも特殊格闘技が気合玉・波動弾くらいしかまともな技が無くそれをメインにする格闘ポケモンも少なかったため一応特殊受けとして成立していました(今作から適応力ルカリオが出てしまったので破綻しつつありますが)。

なのでメガハッサムメタなどで図太いゴツメ羽休めサンダーなどが流行っていますが、サンダーは鋼虫地面格闘などに耐性を持っているからメガハッサムに対して受けが成立するだけで物理受けとは言いません。

ガブリアスなどに対しても鉢巻逆鱗や剣舞逆鱗などを考慮すると後出しは持ち物が割れていない内は受けが成立せず、対面でのめざ氷などは無理矢理役割破壊技を持たせているに過ぎません。
数値で受ける事と耐性で受ける事は違うというのは初心者が陥り易い間違いなので覚えておいた方がいいでしょう。

●同じタイプを持つポケモンの比較

『猿はバシャの劣化』『ラティアスラティオスの劣化』、これもよく聞く言葉です。

確かに単タイプはもちろんの事同じ複合タイプを持つポケモンは複数存在しますが、技範囲・種族値・運用が異なる以上単純に比較するのは危険です。

ここではバシャーモゴウカザルに注目して話を進めていきます。

まず種族値の違い。
バシャーモは加速という特性を持ちますが元のS種族値は80族で、1ターン目はどうしても80族のままです。

それ故に例えばガブリアスやガルーラなどSを抜かれ、且つ一撃でこちらを落とす技を持っている相手に対してこちらから遂行技を持っていようがバシャーモの1ターン目の行動は守る、交代、守る読み読み突っ張りの3種類になるかと思います。
何れにしてもこちらに不利な択ですよね。

それに対して相手は普通に攻撃するのが安定択な訳ですから基本的にはこの時点でダメージレースの先攻を取られる事になり、いわゆる出し負けという状況になります。

ゴウカザルなら元のS種類値が108な為単純に上から殴る事の出来る範囲が増えるので遂行の他、削りの面でも重宝するかと思います。

また覚える技も微妙に差異があり、有用そうなところではバシャーモブレイブバードやバトンタッチ、ゴウカザルステルスロックや我武者羅、草結び、蜻蛉返りなどがあります。
これらを考慮すると微妙に対応の仕方が変わってくるのがお分かりでしょうか?

バシャーモに対してローブシンを死に出ししたが剣ブレバで突破されたり加速バトンで後続に繋がれた、ゴウカザルクレセリアを後投げしたらステロを撒かれて我武者羅で削られたなど2匹のポケモンを同じ様に対処しようとするとこのような事故に遭う恐れがあります。
同じタイプを持つポケモンでもこのように覚える技、種族値、運用の違いだけでこれだけ対応に差が出て来るという事は覚えておいた方がいいでしょう。

●厨ポケ・厨パ

まずそもそもの定義として『中学生が適当に育てて採用しただけで勝てるスペックを持ったポケモン』を厨ポケと総称し、そのポケモン達で構築されたパーティを厨パと呼ぶ、という風に私は認識しているのですが間違っていたら申し訳ありません。

例えばバンギラス
2世代で登場した600族で岩・悪という固有タイプを持ち、4世代で結論パ(バンギラスガブリアス、サンダー、スイクンメタグロスゴウカザル)と呼ばれるパーティに組み込まれていたポケモンで皆さんが厨ポケと呼ぶポケモンの筆頭だと思います。

このポケモンを採用、運用するに当たって果たして皆さんはどんな事を考えるでしょうか。

バンギラスは良くどんな性格で、どんな持ち物を持たせても強いと言われますが実際にそれだけのスペックはありますし、全ポケモン中そう評価されるのに最も相応しいポケモンだと私も思います。

持ち物候補として思い付くだけで鉢巻、スカーフ、眼鏡、襷、ゴツメ、半減実、オボン、ラム、ナイト多数あります。
技も岩技、悪技、炎技、氷技、電気技、格闘技、電磁波、ステロ、挑発、吠える、竜舞と組み合わせは無数にあると言っても過言ではないでしょう。

ですが当然の事ながらその性格、その持ち物にするにはちゃんとした理由があり、バンギラスがその要請に応えるスペックを持ち合わせているだけで何をやらせても強いというには少々語弊があります。

例えば今流行っている型だと竜舞型。
ナイトやラムを持たせて舞い、突破力を上げ全抜きを狙うポケモンのように思えますが実はバンギラスが一貫するパーティというのはなかなかに少なくキノガッサローブシンがいるだけでどうしても選出圧力が掛かってしまいます。

それ故にただ流行っているからというだけで採用した方は、耐久に厚めに振ったバンギラスや鉢巻で半減されようが後続に負担の掛かるバンギラスなどと違い、なかなか選出出来ないジレンマを感じた事があるのではないでしょうか。

このバンギラスは抜きエースとしての採用の他、ラキグライムドークレセなどの受けループを崩壊させるバンギラスとして採用するものだと私は思っています。
なのでサポートするポケモンの存在や積みサイクルとして縦の繋がりが重要であったり、元々特定のパーティに向けてのメタとして割り切るものでポツンと竜舞バンギを採用しても活躍する訳がありません。

このように採用したバンギラスが果たして厨ポケと呼べるのでしょうか?

また若干厨ポケだから厨パだからと思考停止気味にそう呼ぶ方が多いように思うので、どんなパーティを組むにしろそういったポケモンの対策を切るなどといった愚策は犯さぬよう願うばかりです。

●意表を突く

マイナーポケモンと言われるポケモンはどうしてもタイプや数値の面でメジャーなポケモンに劣り、初見殺しなどの要素を戦術に盛り込んでいくしかありません。

断言しますとマイナー使いの方には申し訳ありませんが、意表を突く事にまったく意味はありません。

私のような中堅プレイヤーですら殆どのポケモンがどのような技を覚えるか大体ではありますが把握していますし、上級者の方の中には更に完璧に把握している方もいらっしゃる事でしょう。
まず全体に向けて公開されている情報でアドを取ろうという考えがそもそもの間違いです。

またそうでないとしてもそもそも構築段階で勝ち筋というものを作り、その勝ち筋を実現出来るポケモンでパーティを構築する訳で相手の勝ち筋を崩せない以上勝ちを拾うのは不可能です。

逆を返せばマイナーポケモンの中には固有タイプを持つ者も多いので、それを利用して上手く勝ち筋を崩せれば当然勝機を見出す事も出来ます。
ですがそれはメジャーポケモンの構築と同じ様に採用されたポケモンがその採用理由に応えただけに過ぎないという事で、マイナーポケモンの持つ意表性で勝てた事にはなりません。
その点を理解せずマイナーパを妄信している方が多いようなのでここだけはハッキリさせておきます。

特定のパーティに刺さるなどタイプは優秀でも数値が足りなかったり、汎用性に乏しかったり難点が付きまとうのがマイナーポケモンの宿命で、勝ちを優先するならそういったポケモンだけでパーティを組むというのはやはり難しいかと思います。

マイナーだろうがメジャーだろうがパーティ構築の基礎は変わらないという事を理解しておきましょう。

●個としての技構成、パーティとしての技構成

『〜の技構成を、○○と××で迷っているのですがどちらがいいでしょうか?』
これもよくある質問だと思いますし、初めてポケモンを育成する初心者が参考にするであろう育成論の落とし穴でもあります。

回答者側の意見として言わせて頂くと、そんなの知りません。
どのようなパーティに組み込みどのような運用をそのポケモンに求めているかが書かれている場合はまだ意見の言いようがありますが、単体でこの技とこの技で迷っていると言われても答えようがないのが正直なところです。


ローブシンを例に挙げます。
ゲッコウガなどの特殊な場合を除きローブシンに限らずポケモンにはタイプがあり、得意なタイプと苦手なタイプが当然の如く存在します。

ローブシンは格闘タイプで、悪タイプと鋼タイプ、岩タイプ、ノーマルタイプに一致で抜群を付けますよね。
なのでドレインパンチアームハンマー、馬鹿力などの格闘技は当然真っ先に採用されますし外す理由などどこにもありません。
それがパーティにローブシンを採用する理由でもありますからね。

次にローブシンは鈍足且つ高耐久ポケモンの典型で先制技の有無は撃ち合いの範囲に大きく影響してきます。
なのでマッハパンチの採用が次に考えられます。

もちろんマッハパンチは必要のない場合には切れる技でもありますし、必須級ではありますが必ずしも採用しなければならない技だとは私は考えていません。

残りの技スペースが2枠になりましたが、考えうる候補として気合パンチ、冷凍パンチ、雷パンチ、炎のパンチ、岩雪崩、ストーンエッジ地震、叩き落とす、ビルドアップ、身代わり、毒々などが考えられるでしょうか。

組み合わせとしては冷凍パンチ+雷パンチ、冷凍パンチ+叩き落とすなどの組み合わせが多いように感じますがそれをそのまま参考にパーティに組み込んで果たして技スペースをフルに活用出来ていると言えるのでしょうか。

今作から優先度の上がった叩き落とすという技ですが、これはクレセリアギルガルドに対する役割破壊技になりますが育成論に書いてあったから、誰か有名な方が使っていたからといって真似して使ったとして強いかというと素直には頷けません。

極端な話が例えばバンギラスサザンドラマニューラヘルガーシザリガーといったパーティにローブシンを組み込む場合必要になってくるでしょうか。
これだけ超タイプ、霊タイプに打点を持つポケモンが集まっている場合だと分かり易いですよね。

技候補として上記の数だけ技が存在する中でその方々がその技を選択し採用しているのにはちゃんと理由があります。

ローブシンを採用するにあたってクレセリア始めとする高耐久超タイプはやはり脅威的な存在になってきますよね。
またクレセリアは電磁波やトリルからの展開や、三日月の舞などサポート面で2手3手動かすと辛いポケモンになるのでそこからの展開を許さない意味合いでの叩き落とす採用なら勿論アリだと思いますし、裏で対処出来るのであればわざわざローブシンクレセリアに打点を持つ必要はないかと思われます。

他にも物理に厚いポケモンなので冷凍パンチはガブリアスカイリューといった竜と撃ち合う時には必要ですし要請を満たす事の出来るポケモンではありますが、今作からフェアリータイプが追加され竜へのケアの択が増えたので必須とは言えませんね。
今まで炎のパンチ採用のローブシンは殆ど見ませんでしたがメガハッサムローブシンで対処したい場合炎のパンチが必要になって来ます。
なので炎のパンチ採用のローブシンも勿論環境に存在していて然るべきだと思います。

個として採用する技と、パーティとして採用する技には違いがある事を覚えておくと、これからのパーティ構築にまた違った視野からの意見を盛り込む事が出来るのでオリジナリティにも富んだパーティ構築が出来る様になると思います。


長ったらしくなってしまいましたが以上です。

本当に基礎的な事ですが、勘違いしがちな事柄を主にピックアップして解説させて頂きました。

皆さんも例えば個人ブログ、ニコニコ動画などで実況系の動画や生放送などで情報収集する事があるかもしれませんがコメントを打ち込む事が出来るので、強くなりたいなら積極的に意見交換していくべきだと思います。

前者はコメント通知機能がありますので気付いて時間があれば答えて下さるでしょうし、それなりに実力のある方であれば参考になる意見を返して頂けるかと思います。
後者は心ないコメントを返される場合もありますが不特定多数の人間が見る場なので拾って意見を返してくれる方も多いのがメリットでしょうか。

私から言えるのはここまでです。
それでは。