アクティブな構築とパッシブな構築

アクティブ(active)=能動的
パッシブ(passive)=受動的

私がこのブログ内で割と好んで使う言葉だが、この辺りで定義をハッキリさせておきたいと思う。
まずはじめに語弊があっては困るので釘を刺しておくとアクティブな構築が強く、パッシブな構築が弱いと言っている訳ではない。

そもそも定義など細かく考えず今までは感覚的に使用していたのだが、つまるところ被弾回数の問題と補完を攻撃範囲で取るか守備範囲で取るかといった二つの問題に帰結するように思う。
要するにガルクレセのように縛り性能の高いガルの行動回数をいかに稼ぐかといった構築や、バンギルカリオアローなどのようにいかに積み技や高火力で相手を叩き伏せていくかといった構築はアクティブであると言え、パッシブな構築の最たる例は受けループであると言える。

バシャサンダーナットなどはサイクル補完しつつバシャーモの一環を取って行くパーティなので定義が難しいが、バシャーモというポケモンが非常に尖った性能を持つため私はアクティブな構築に分類されると個人的には思う。


さてここで一つ目の問題である被弾回数について説明していきたいと思う。

アクティブな構築の最大の利点は急所に当たって負けたというような不確定要素による敗因が殆ど存在しない事。

分かり易く理解して頂く為に皆さん一度は使用した事があるであろうゲッコウガをイメージして欲しい。
ゲッコウガが急所に当たって落ちたから負けに直結したといった状況はあり得るだろうか。

ゲッコウガを運用する時には毒びしなどの特殊な場合を除き削りに特化した動き方か終盤で相手を一掃するといった動き方が主になると思うし、それが一番強いゲッコウガの型だと思う。
無理な突っ張りさえしなければS122のゲッコウガが即死する技を被弾する事は殆どあり得ず、意識していない所でゲッコウガを失うというような事態はそう起こり得ないと思う。

この事を構築単位で反映してみるとガルクレセならS99以下の殆どのポケモンに対して猫+何かの技で縛る事が出来るし、バンギルカリオアローなら起点を作り積めば殆どのポケモンを上から一撃で薙ぎ倒す事が出来る。
これは被弾回数を減らす事に特化している為当然である。


対してパッシブな構築として挙げた受けループだが、これはその耐性と数値で相手を詰ませる構築であり交換を繰り返す以上当然被弾回数は増える。
そもそも耐性で完璧に受けられる場合もあり急所に当たっても平気な場合も勿論あるし、一概にはディスアドバンテージになるとは言えないが急所に当たらないのであれば当たらない方がいいに決まっている。

これを今度は逆にポケモン単体に当て嵌めてみると何かと受け出す事の多い霊獣ランドロススイクンナットレイなどが急所に当たって負けた試合というのは上記のゲッコウガの場合と比べると多々あると思う。
ダメージ計算する際に急所まで含めて考えられればいいが、そのような調整を施せる恵まれた種族値を持つポケモンは限られているしそこまで緻密に不確定要素を組込む必要性を感じない。

ここまで話しておいて今更だが前提条件としてメガ進化という要素が今作から追加された事を今一度踏まえたい。
3000戦程対戦には潜っているがパーティにメガ枠が入っていない構築に遭遇した事がないくらい、言わずもがなレート対戦はメガ進化ポケモンに重きを置いた環境になっている事が窺える。

ガルーラ然り、ボーマンダ然り強力なポケモンを運用する場合において邪魔な存在を排除する為の取り巻きを考える、それが強い構築を作る為の思考の道筋である事は間違いない。

それに対して受けに特化したメガ進化ポケモンが少ないので、また当然の事ながら数少ないそのポケモンも全てのポケモン、技を受け切る事が出来る訳ではないのでORAS環境を持ってしても研究が進んでいないというのも一因としてあるにはあるだろう。
が、守備的な補完としてメガ枠を使用する事は多くのポケモントレーナーの意識の範囲外であると感じる。
せいぜいフシギバナ程度しか思い浮かばない。

耐久寄りの種族値をしているメガフシギバナですらラティオスの眼鏡サイコキネシスは受け切れない、メガヤミラミですらニンフィアの眼鏡ハイパーボイスは受け切れない。
こいつらを受けるのは何の事はないバンギラスであったりラッキーであったりクレッフィなどの一般の非メガ進化ポケモンである。

要するに何が言いたいかというと技構成として持てる技は最大で4つなのに対して、受ける際に効用する保有タイプは最大では2つである、という事。
択に勝つという局面がそれなりに起こりうる状況で倍の択を持っている事は戦況を進める上で有利に働きはしないだろうか。

こう書いてしまうとこの記事内で言うパッシブな構築を否定しているように思えてしまうかもしれないが、どのような構築にしても立ち回りとして引かざるを得ない状況を作ってしまった方が基本的には不利だと言いたいのだが理解して頂けるだろうか。

これがつまり二つ目の問題である補完を攻撃範囲で取るか守備範囲で取るかという問題である。

補完を攻撃範囲で取るという事に最も長けているのはご存知の通りガルーラである。
このポケモンはやれ2回攻撃だとかそこそこある耐久だとか技範囲だとか単に強いポケモンと認識している方は多いだろうが、考察すればする程狂った性能の持ち主だという事が分かる。

ちなみに当たらずも遠からずという感じはするが、こういうポケモンの最もいい対処の仕方は勿論上から潰す、である。
被弾する事を前提としたポケモンの中でガルーラ受けとして優秀なカバルドンクレセリアですら後出しで良くて相打ちにしか持っていけない。

203ガルーラという型や特殊技を搭載したガルーラなどを初めに考察した人は本当にポケモン対戦におけるセオリーを理解している真の意味での強者だと思う。

その上から潰すポケモンとしてはテラキオンなどが挙げられるだろうがこのポケモンギルガルドなどのポケモンに簡単に止められてしまい
汎用性が下がってしまった為構築に組み込みにくいのも相対的にガルーラを強化している。
ちなみに持ち物補正+性格補正無しテラキオンインファイトを耐えるABベースのガルーラというのもいる。
もう狂ってるとしか思えない。

ガルーラの話はさておき、守備的な補完というのはようするにサザンドラ+ギルガルド+マリルリ+フシギバナなどの俗に言う相性補完が優れた組み合わせというものが存在するが、こういったポケモンは特定の攻撃に対して受け出す事を前提にしているのでH振りが基本になる。
受け出す事が多いという事は被弾回数が増える事であると同時に急所に当たる確率と追加効果を引く確率を底上げしている事と同義である。
所謂ヤーティが弱い理由がこれにあたる。

再生手段がなく被弾する事を前提としたポケモンばかりでパーティを固めるという事はポケモン対戦におけるセオリーから大きく逸脱している。
半減でもゴリ押せるだけの、また逆に半減して受け出しすれば行動回数が減らないだけのスペックのあるポケモンが多くいれば成立するだろうが決してそんな事はないし、仮にそんなポケモンが存在するならそのポケモンのミラーばかりになるだろうしそうなればSを振っている方が当然有利である。

ある特定のポケモンを軸に置く場合、その多くがメガ進化ポケモンになるだろうが攻撃的な補完を意識し過ぎると選出が窮屈になり、守備的な補完を意識し過ぎると不確定要素に勝ち筋がぶれる。

また受け先を用意する場合もより多くのポケモンを受けられる、または誤魔化せるポケモンで固めるのが一番望ましい。
要するに種族値と耐性、補助技、特性が優秀なポケモンにってくる。

ここらで持論ではあるが結論を言うと構築の際はアクティブな構築、パッシブな構築、やるなら振り切るか両方を上手く中和させる事が重要である。
これが上手い具合になっていないと構築全体としてチグハグにもなるし、使用感という感覚的な部分でも難が出る筈。

あくまで持論。
立ち回りでカバーしている人もいる筈なので、私は構築が下手で立ち回りも未熟な部分が多いのであえて理論化するなら私はこういう風に捉えているというお話。

それでは。